音楽療法士が働く場所として挙げられるのは、病院や介護施設、学校などです。特に病院の緩和ケア病棟では、音楽療法士の需要が高いとされています。しかし、音楽療法士は国家資格ではないため、正規雇用の求人の数は少ないという特徴があります。賃金が低いことから、音楽療法士だけでなく作業療法士や看護師などと兼務して働く方も多いです。日本音楽療法委員会によって、音楽療法士を国家資格化する法整備が目指されています。音楽療法士が国家資格化されることによって、求人数の増加や収入の安定の確保といった効果が得られるでしょう。
音楽療法士は、特別養護老人ホームやデイサービスのような介護の現場でも活躍します。介護施設で働く職員が音楽療法士を兼務することも多いです。介護の現場で音楽療法を行う目的は、大きく分けて2つあります。1つ目は、利用者の心身の活性化です。利用者の健康維持や介護予防のほか、利用者同士やスタッフとのコミュニケーションの促進を目指して行われています。2つ目、認知症の症状の緩和です。音楽療法によって脳が活性化すると、徘徊やうつ症状、記憶力などの改善が期待されます。
介護の現場でレクリエーションの一環として音楽療法を取り入れると、利用者の生活に刺激を与えることが出来ます。特に利用者に喜ばれるのは、歌謡曲や演歌といった利用者にとって思い出の曲です。また、音楽によって利用者がリラックスし、介護に対する抵抗が和らぐという効果も得られます。
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